ポルトガルワイナリー視察レポート

Soalheiro - 2023/5/15 訪問 レポート:向井 畝津子

Soalheiroはポルトガル最北端のメルガソに位置しアルバリーニョのトップ生産者である。
ソアリェイロとはジョアン・アントニオ・セルデイラが1974年にアルバリーニョを植えた小さな区画の名前で、その場所の日当たりの良さからこのように命名された。ブランドの立ち上げは1982年で、それから今日まで伝統を守りつつ次々と革新的な挑戦を行っている。

1994年には、初めてアルバリーニョでスパークリングワインを生産し、2006年にはオーガニック農法の認証を受ける。2006年には樽発酵のアルバリーニョを初めてリリースし、アルバリーニョを主体としたブレンドワインや赤ワインも始めた。そして2015年には標高の高い所に植えられたアルバリーニョからGranitをリリースする。通常のクラシックなワインに比べてよりミネラル主体のワインに仕上がる。また砂地で栽培される自根のアルバリーニョやティニャハで熟成させたアルバリーニョ、ジョージアスタイルのオレンジワインやペットナットなどアルバリーニョの七変化をまさにここで体験することができた。例えば、ソアレイリョ・エスプマンテ・ブリュット・ナチュールは亜硫酸無添加の代わりに、キャップ・イーストが使われ、酵母の自己消化の香りを抑えることでアルバリーニョ本来のアロマを活かす。キャップ・イーストはパールイーストと呼ばれ、取り除かずに瓶詰される。このワインのテイスティングはディナーの時に披露された。

その他革新的なワインとして、Reviradoはスピンバレルで毎日バトナ―ジュされて出来たワインで、とにかくフリンティーでガンパウダーを思わせるようなロバストなワインだった。そのスピンバレルの隣にはもう一つのスピンバレルがあり、Pe Francoと書かれていた。こちらは砂地で栽培された自根のアルバリーニョで、2週間の醸し発酵の後にプレスして果皮を取り除いた状態で入れられる。どちらも一樽ずつしか作られないとても手間のかかる貴重なワインだ。テイスティングでは17種類のボトルがずらっと並び、当主のアントニオ・ルイス・セルデイラ氏の詳しい解説付きで行われた。ネーミングもユニークでそれぞれこだわりがあり、詳しい解説はすべてホームページに記載されている。

テイスティングのパート2はRicardo Silva氏によるAdega Ponte de Limaのワインのテイスティングもあった。ここではロウレイロを中心としたテイスティングで、グラニットとシスト土壌の違いも比較することができた。

  • モダンなソアリェイロ
  • ティニャハ
  • Revirado(ねじれ)が入っているスピンバレル
  • ステンレス製エッグタンク
  • Joao Antonio Cerdeira氏とSoalheiro Espumante Bruto Alvarinho(パールイースト無し)
  • ReviradoとPe Franco
  • Soalheiro Espumante Bruto Nature
    (パールイースト入り)
  • Adega Ponte de Lima のテイスティング Ricardo Silva氏
  • パール・イースト